第429話 黒竜公
「えッ!?
戦に!?
って・・・
じゃあ、私をもらってくださるんですね!?」
ミサは、尻尾をぶんぶんと振って喜ぶ。
「ごめんね。
ようやく決めたんだ。」
甘い言葉をささやきながら、アクアスは、ミサの尻尾を撫でる。
エロいぞ・・・
そこの喫茶店・ミケランジェロ・ヘブンにて・・・
そのときだった・・・
一人のおっさんが、店内に入ってきた。
「ふいい・・・
そこ、いいかい?」
「え・・・
ええ・・・」
甘い空気に耐え切れず、私が空いた席を示す。
ジョルジュとニコは、「緑茶」を飲んでいる。
異様に様になっている。
「まいったぜ・・・
この国の熊はよお・・・
キティルハルムの熊のほうが礼儀正しいぜ・・・」
このおっさんの神波動・・・
これは、「竜気」・・・
「オレが、山菜取りに行ったらよ・・・
いきなり熊が襲って来やがった。」
「で、どうしたんだい?」
ジョルジュが尋ねる。
「あの野郎・・・
大口開いて、オレに食らいつこうとしやがった。
だから、竜の姿で、更なる「大口」で、顎を上下に噛み砕いてやったぜ。
でな、せっかくの獲物なんで、そのまま食い始めたんだが・・・
不味かった・・・
魔法かブレスで焼いたほうがよかったって思ったが、後の祭りよ!
ちくしょう!」
あ・・・
このおっさん・・・
誰だかわかった・・・
「お行儀が悪いですよ、黒竜公ブリューゲル様。」
「げッ!
そういうあんたは、「総合導師女王ミリアム」陛下じゃねえか!」
竜族・・・
それは、
金竜王、銀竜王、赤竜王、青竜王、白竜王の「五竜王」が統治している。
それに続くのが、黒竜公、緑竜公、飛竜公である。
「竜族は、獣ではありません。
狩りの獲物は、ちゃんと火を通してからいただかないと・・・」
「「「そっちか!?」」」
ジョルジュ、ニコ、レンちゃんが突っ込んだ。
「おじさま・・・」
「大変でしたね・・・」
アクアスと、ミサがブリューゲル公をねぎらった。




