第402話 清濁併せ持つ
ムーンは、凄まじいばかりの戦いを目のあたりにさせられた。
「陛下・・・
私・・・
猫邪神ノワールの言っていることは正しいと思います・・・
しかし、陛下は・・・」
「ええ。
正しいわね。
けど・・・
認めていいの?
確かに、正しいものを貫くのも必要だけど・・・
だからと言って、それを虐殺を正当化する理由にしていいの?
だから私は言っています。
「度を過ぎた正義は悪」であると。」
アルナスは、混沌神波動を高めていく。
「彼女は・・・
いわば、「光と闇」の狭間にいる「人間」そのものです。
私も、そうでありたい・・・」
「わかっておられるじゃないか・・・
「我が友」は!」
アルナスは、空牙に神波動を込める。
「この世界は、まだまだ楽しいのだ!
勝手に破壊されては困るのさ!
昔は、クソネズミだった奴とも「友」になれたし、その家族を見る楽しみもある!
三度目の人生・・・
全力でいかせてもらう!」
そうして、刀を振りかぶる!
「覇王神滅斬!」
ズバッ!
「ぐはッ!」
アルナスの一撃が、ライルの右肩から腹までを斬り裂いた。
「なるほど・・・
真に恐るべきは、「リシテアール三賢人」か。
「法の女王」ミリアム・・・
「万能の参謀」アルナス・・・
「知の王」実験用マウス一号・・・
この三人を前にしたのなら、退くしかないか。」
驚くべきことに、彼からは出血がないのだ。
あれほどの深手を負っているのに・・・
「空間転移!」
ライルは、その場から消えた。
「まったく・・・
なぜ、こんなときに、私の正体がバレるのだ・・・」
アルナスは、仏頂面をしていた。
「くくく・・・
それが、「マ○ティーの法則」という奴だよ。」
「なぜ知っている!?
リシテアールの生まれだろう!」
「君が広めたんだろ?
ぷッくくく・・・」
アルナスは、実験用マウス一号のからかいに、憤慨していた。




