第382話 盆踊り
風流な音楽が流れ、王宮前広場の中央に、やぐらが組まれ、その周囲で皆が踊っている。
元日本人の感覚だと、これは「ダンス」じゃなく、「ステップ」だ。
満月がきれいだ・・・
ん?
「言いダコを使用した、「蛸ライス」にゃ!
蛸酢たっぷりにゃ!」
アリアが、屋台を広げていた。
「あの人・・・
また、キモい素材を・・・」
「ま・・・まあ、アリアさんですから・・・」
私の指摘に、イリアが言う。
あ・・・
あそこでは、ユニィがアルムスとアニスを抱っこして談笑している。
アニスは、哺乳瓶を抱えて中の母乳を飲んでいる。
「まったく・・・
マイカさんには困ったにゃ・・・
また、こんなん着せて・・・」
ナキが、ぶつくさ言っている。
盆踊りに、チャイナ服とは珍妙な・・・
「もともとはね・・・
一年に一度、帰ってくるご先祖様を迎える行事だったのよ。」
「なるほど・・・
ミリアム様が、「ボンダンス」と訳されたくないのはそういう訳ですか。」
「ただの「ダンスパーティ」じゃないのよ。」
おんや・・・
「うまい!
これ、うまい!」
「先輩!
また太りますわ!」
蛸ライスをかっこむ、実験用マウス一号と、たしなめる実験用マウス二号がいた。
こういうのも、いいなあ・・・




