第378話 惨事・・・?
私は、報を聞き、決断した。
「軌道エレベーターの崩落さえありうる!
周辺住民の避難、並びに工兵隊出動!」
工兵隊・・・KRK-005キャットワークで構成された部隊だ。
魔装騎士は、巨体ながら作業向きだ。
なお、民間の建築作業機がKRW-001キティルビルダーである。
「銃士隊と図書館の騎士団は、私と共に現場に急行!」
まさか、軌道エレベーターを狙ってくるとは・・・
「予想外でした。」
「いいえ。
違うわ。
私たちには、しばらく外敵がいなかった。
「想定外」よ。」
イリアに言う。
そのまま、魔装騎士で、現場に向かう。
その光景は・・・
見慣れない魔装騎士のような機体で構成された部隊が、軌道エレベーターを攻撃しているではないか。
「くッ・・・」
どうするか・・・
今にも、軌道上から民間人を乗せた宇宙列車が、降りてくる・・・!
「私は憤怒の大魔王エルザス。
女王ミリアムとお見受けした。
勝負!」
眼前の機体から、通信が入る。
冗談じゃない!
べきッ・・・
な・・・
軌道エレベーターが折れ、宇宙列車が零れるかと思った瞬間・・・
一人の少女が現れ、浮遊の魔法をかける。
その隙に、うまいこと間に合った工兵隊が回収し、図書館の騎士団が搬送する。
しかし、驚いたのは次の瞬間・・・
彼女は素手で、軌道エレベーターを支えたのだ。
「しばらく私が支えます。
突貫でいいので、修理しちゃってください。」
「何者だ?」
エルザスが尋ねる。
「天空の大魔王ハイペリオンの娘・・・
正義の大魔王テミス・リーブラですわ。」




