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第375話 シルヴィア

キティルハルム王宮の応接間に、客がいた。


誰あろう、発酵業務用マウス一号と業務助手一号である。


人鼠ワーラットの姿だ。


「しかし・・・

以外ね・・・

人鼠ワーラットの姿で生まれるとは。」


業務助手一号が、赤ん坊を抱いている。


産着の間からはみ出た尻尾が、ちょろちょろと揺れている。


いじりたいが、耐える。


「妊娠期間が、人間族よりちょっと短い程度でした。

データをまとめないと。」


なんか学術的なことを言っているが、彼女の表情は母親のそれだ。


「それよりさ。

姫様のところももうすぐじゃないの?」


お土産のチーズを差し出しながら、発酵業務用マウスが言う。


「こんなときにね・・・」


「こんなときだからこそだよ。

僕もまさか、このタイミングでとは思わなかったよ。

みんなが不安になっているからこそ、おめでたい話題は多いほうがいいんじゃない?」


「そうね。

これを忌避すると・・・」


「それこそ、敵と同じになるよ。

それはごめんだね。」


「もしかすると・・・

過去の地球は、それで一旦ヤバくなりかけたかも。」


「どういうこと?」


私は思い出す。


「幼稚園や保育園ができたら、近所の人が騒音でうるさいってね。」


言うと、発酵業務用マウスが首をすくめた。


「なるほど・・・

それこそが、「日本」の少子高齢化の原因の一つかもね。」


全くだ・・・


「この子の名前は?」


「シルヴィア。

安直かな?」


「いいんじゃないの?」

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