第374話 傲慢の大魔王
「さて・・・元枢機卿アルコン。
あなたは、信じる神に裏切られたようですが、どうでしょう?」
ノワールは、アルコンに語りかけた。
「私はもう神は信じない!
神は、私を裏切った!」
「ふむ・・・
しかし、神というものは、自ら預言者を選定し、教えをくだすものでしょう・・・
まあいい・・・
あなたに「傲慢の大魔王」の力を授けましょう。」
アルコンは、全身にどす黒い暗黒神波動が蓄積されていくのを感じる。
「かくも、世は勝手な者ばかり・・・
なのに、なぜ世界を守ろうとするのですか・・・
この世界のノワールよ・・・
そしてその末裔ミリアムよ・・・」
ノワールは、歩き出した・・・
そのころ・・・
ムーン・ブルーは、ミリアムに噛み付いていた。
「陛下は、甘すぎます!
これでは、国は・・・
世界は・・・!」
「あなたの欠点。
それは、高潔すぎるということです。
いいですか?
度を過ぎた「正義」・・・
それが、超魔王を産んだのです。
例えば、あなたが責任感が強い人に叱責すると、今度はあなたが「自分の無責任を押し付け、責任感を奪い取ろうとする。」と相手に決め付けられます。
いいことでしょうか?
違います。
敵は、そういった「度が過ぎた」善良なる心に点け込みます。
もう少し、楽に考えなさい。」
「は・・・はい・・・」
私は、ムーンにちょっとした守護の術をかける。
「なんですかコレ・・・」
「あなたが、善良「すぎる」人にならないための術です。」




