第373話 嫉妬の大魔王
「敵の」パスキールパレス・・・
その玉座の間に、「超魔王ガルアレート」・猫邪神ノワールがいた。
「工員アル・ファシル。
あなたは、主に何が嫌で「大魔王」となることに同意しましたか?」
「ははッ!
秩序を保つために、管理職の自由を制限する現女王の政権にうんざりしました。」
「ほう・・・」
ノワールは、指をぱちんとならす。
壁がスクリーンとなり、映像が映し出される。
「あのアル・ファシルのせいで、社は大打撃だにゃ!
こっちは、前会長が必死に働いて、優良職場を築き上げたのに、一人の管理職のせいで皆が息苦しい職場になってしまったにゃ!」
「会長・・・
社長は、戻ってこられますか?」
「にゃーッ・・・
あの娘はいい娘だったにゃ・・・
赤ちゃん・・・
見たかったにゃ・・・
ぐすッ・・・」
「大丈夫!
社長は、きっとあのバカを倒して、前会長やあいつらの仇を討ってくれる!」
「以上・・・
現場からでした。
バルカン重工は、工廠時代から優良職場として努力してきただけに、部下二人を死に追いやった前管理職に対する風当たりが強いようです。
滝川クリスタルが、お送りしました。」
人気キャスターの人狼女性の、滝川クリスタルが画面に向かって礼をする。
「これが、あなたの評価。
息苦しいですね・・・
そこで、あなたには「嫉妬の大魔王」の力を与えます。」
アルは、身体にどす黒い暗黒神波動が流入してくるのを感じる。
やがてそれは、定着していく・・・
「くくく・・・
「嫉妬の大魔王」アル・ファシル・・・
猫邪神ノワールに忠誠を!」




