第363話 遺跡探索
私は、アルナスや老師と共に、パルキール・パレス旧市街に来ていた。
「いやあ・・・
そのまま残ってるねえ・・・
復元も完璧だ。」
実験用マウス一号が、言う。
「まるで、ポンペイに生きていた人が、発掘・復元された都市に戻ってきたかのような言い方ね。」
「なんだい?
ポンペイって。」
「地球のローマって国の地方都市。
火山灰に埋まってたのよ。」
「まあ、そのままの感覚だろう。」
アルナスが言った。
「わおッ!
ここが、エレノラ邸か・・・
ぷッ!
この写真の猫・・・
君のご先祖様じゃない!?」
エレノラ邸で、写真立てを発見した実験用マウス一号が吹き出す。
「コップ抱えて、ストローでオレンジジュース飲んでら!」
黒猫がである。
リアル猫で。
「それ、レプリカよ。
本物の資料は、あなたたちとの決戦のとき、ノワール二世が持ち出したわ。
ノワール女王の私物と共に。」
「・・・それ・・・
泥棒猫?」
「ライテス卿に言われたそうよ。
私物化して管理しようとしたところ、みつかって、王立図書館の研究室所蔵になったらしいわ。」
「ははは・・・!
女王といえど、「盗掘」はできないか!」
まあ、じっくり見てみよう。
敵の「パスキール・パレス」にも同様の弱点があるかもしれない・・・




