第332話 懸念されること
「しかし、懸念されることもあります。」
私が言う。
「それは一体・・・」
ガイレスが、尋ねてきた。
「指令。
それは、「音波探知装置」です。」
鈴木が、答える。
彼には、白猫の奥さんがいる。
「コウモリは、「人間」には聞こえぬ超高周波の声を出し、その反射で地形を読み取ります。
どうやら、生物学者によると、クジラも同じように、海中を「見て」いるようです。
陛下も「前世の知識」から、知っておいででした。」
「ほう・・・
では、それを「マネする装置」が、「音波探査装置」か。
搭載すればよいだろう?」
「そうはいかないの。」
私が、ざっくりと斬る。
「大体、「陸」と「海」とどう違うか、わかるにゃ?
陸だと、音は「拡散」されるにゃ。
けど、海だと「収束」されるにゃ。」
「どういうことだ?」
ファクトリアの回答に、ガイレスは頭をひねる。
「そうか・・・
潜水艦が増えると、連中にとって「不要な音」が増えてしまうわけか。」
「そう。
それで、かつての地球では、方向感覚がおかしくなってしまい、「座礁」するクジラが相次いだわ。」
「ではどうするんだい、陛下?」
「レーザー探査装置・・・
これを、考案してみたわ。」




