第317話 究極刑!
「ま・・・まさか・・・そんなことに・・・」
アルコンは、娘を見る。
「父さん。
そのままなら、リケ様はウチのことを勘ぐることもせず、安泰に過ごすことができたはずです。
この件がなければ、私は幼馴染と結婚できました。
あなたのしていたことは、下劣な先祖そのままです。」
「審問官・・・
あちしから・・・」
「リケ神・・・
よろしいにゃ。」
リケちゃんが口を開く。
「まさかあちしも、そこまで事が大きくなるとは思わなかったにゃ。
けど・・・
あちしも、「神」として少なくとも自分の手の届く範囲で、自分を崇める人たちが教義で争うのは根底からなくそうと考えたにゃ。」
「リケ神・・・」
「慈悲も必要にゃ・・・
けど・・・
あえて・・・
審問官!
証言並びに、訴状から判断をお願いするにゃ!」
アリシアは、うなづく。
「被告人!
「神権」侮辱罪で、「金庫刑」三百年の刑にゃ!」
「うへ・・・」
「「禁固」のほうがよっぽど・・・」
「金はかかるが、これほど・・・
いや・・・
罪が許されない者にこそふさわしいといえるな・・・」
金庫刑とは、一生独房に閉じ込められ、外出・情報の権利を一切剥奪される刑である。
なお、通販用の個人用電算機一式と、買い物用のクレジットカードが支給されるが、品物の受け取りは全て「空間転移」で行われる。
また、個人用電算機には、一切の社会情報や外部連絡用の回線は封印されている。
「創作活動」などもっての他で、それで稼ぐことなど不可能・・・
残高は、常に宗教審問室から支給される・・・(ミケランジェロ家は、かなり稼いでいるので問題はない。)
ある意味、ニートと言えるが、ニートのほうがまだ人権が保障される・・・
この男は、「生存の権利」を保障された代わりに、全ての「人権」を奪われたに等しい・・・
この「金庫刑」・・・
実は、死刑より重いんです!
一生閉じ込められて「何もしてはいけない。」ということですから。




