閑話二 異世界の稲荷神9
そこへ、一人の男性が歩いてきた。
ミケランジェロ一族の、ハンス・ミケランジェロだ。
「にゃあッ!
ハンスぅ~!」
ナキの亭主である。
「アレ使おうか・・・」
「アレ・・・?
確か、以外に売れそうなんで、量産しようとしていた「力ヅク」にゃ?」
「うん。」
二人がなにやら話している間に、市民たちは「ゴミ」を穴に投げ込んでいる。
無数の空き缶・・・
中には「異次元空缶」とか、「あっけら缶」とか、「すっから缶」とか書かれたものもある。
うあ・・・
賞味期限切れの「スライムチーズ」や、納豆まで・・・
「型は取ってあるんで、樹脂や鋳造はできるよ。」
「しょうがないにゃ・・・
クリスタルの原型を使うにゃ・・・
ぐすッ・・・」
さて・・・
ゴミを埋め立てた場所に「力ヅク」の像を置き、雪尾君が、暗黒神波動を込め始める。
ただし、「変態紳士」が嫌がる類の・・・
さすが、神道・仏教系の獣神・・・
やることがえげつなく、かつ細かく適格だ。
「これで、少なくともここからは「出られ」ません。」
「えげつないわね・・・」
「これでも僕は、外国の魔物や悪魔と散々戦ってますよ。
オオネズミの魔物と戦ったときは・・・
うう・・・」
なぜか、涙ぐむ。
「そうそう。
雪尾様、相手の尻尾を「ミミズ」に加工してその後、全部焼いちゃって、「作品」が台無しになってしまいましたからね。」
「その声!」
雪尾君が、振り向くとそこに、可愛らしい稲荷神の女の子がいた。
「萌ちゃん!」




