第3166話 極大消滅魔法
「さて・・・」
二つの両極のエネルギーを合成し、銀色の光の弓矢として引き絞るノワール神。
「ここで授業です。
熱と冷気とは、何ですか?」
わからいでか!
私は仮にも「教師」やってる!
「熱とは、分子の運動速度の速さ・・・
冷気とは、分子の運動得度の停止に近い状態。
すなわち・・・
物体のプラスとマイナスのエネルギーです。」
「そう。
ならば、正反対のエネルギーをこのようにすれば・・・
あらゆるものを物理法則をブチ破って「消滅」できます。」
とんでもねえな・・・
「応用が・・・
「創造神王」と「破壊神王」の両極の神の力ですね。」
「そう。」
そして・・・
解き放つ!
「極大消滅魔法!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・
銀色の光が、軌道上の物体を消していく・・・
「おっかねえにゃ。」
言いつつ、ナキが鼻クソをほじっている。
猫の着ぐるみなので緊迫感がない。
「あーあ・・・
ついにやりましたね・・・」
別戦線で戦っていた楪の魔女が呟いた。
「聞きしに勝るお力ですにゃ。
でもウチの当主は、ビビっていても表情に出しませんにゃ。」
楪の魔女の従者が言う。
「しかし・・・
ノワール様って・・・
現時点でも強烈な魔導師にゃ。
陛下でもあそこまでは・・・」
「「あの子」の子孫です。
特に、ミケランジェロを間近に見たあなたならわかるでしょう。」
従者は固まった。
あの魔法です!




