第3132話 芸術の神
「ほおお・・・
すばらしいにゃ。」
繋ぎの上に評議員ローブをまとったミケランジェロ神がいた。
「きさま・・・
魔導師か!?」
「違うにゃ。」
敵神兵の前に立つミケランジェロ神。
「あちしは、キティルハルム初代ミケランジェロ。
キティルハルム全ての芸術家の先祖にゃ。」
そのまま両手を広げる。
右手にハンマー。
左手にノミが現れる。
「にゃーッ!」
ミケランジェロ神は、一瞬で作業を開始する。
ガガガッ!
敵神兵の足場は、みごとな階段と踊り場になっていた。
「今度は・・・
お前らをこのミケランジェロの「作品」にしてやるにゃ。」
コミカルなのに、コワい。
「ええいッ!」
神兵たちが神波動を撃つ。
が・・・
ミケランジェロ神は、下半身に力を入れて立っていた。
「この世の全て・・・
このミケランジェロに加工できぬどおりなしにゃ!」
大地を蹴って、その神波動に飛びつく。
「にゃーははは!」
まるで石を割っていくような小気味いい音が響く。
やがて・・・
泡状の塔が完成していた!
「傑作・・・
「バブルの塔」にゃ!」
ただ・・・
ネーミングセンスがアホだった!
さすが「ミケランジェロ一族の母」だった。
「このミケランジェロ・・・
彫刻できぬものはないにゃ。
神波動であろうとも!」
そう。
まるで猫が遊ぶかのように。
ミケランジェロ神!




