閑話二 異世界の稲荷神1
「う~ん・・・ここどこだ?」
風光明媚なキティルハルム王都に、一人の稲荷族の少年がいた。
「しかし・・・「猫耳」ばっかだな・・・」
彼は、少し浮いていた。
彼は、九本ある尻尾を、ゆらゆらと動かす。
「うーん・・・しかし、車は走ってるし・・・」
そのとき、仲の良さげな少年少女が、通りかかる。
少女は、お腹が大きいが、魔法使いのような感じで、杖を持っている。
「あれ?
邪馬台国の人なの?
変なの。
いきなり「九尾」になっている人って珍しいの。」
「は?
僕は、「稲荷町」の氏神・稲荷小狐の息子、稲荷雪尾だけど。」
「うーん・・・
事情はわからないの。
まあ、母さまに聞けばわかるかもしれないの。」
二人は、キティルハルムの王太子夫婦であった。
「なるほど・・・
気づいたら、ここにいたと・・・」
「は・・・はい・・・」
私は、恐縮しながら耳と尻尾をせわしなく動かす雪尾という少年を見た。
「話からすると・・・
あなたは、「地球」の「日本」の地方都市を守護する「神様」の御曹司って訳?」
「は・・・はい。」
「しかし・・・
ヒマつぶしにプログラムしたこのディスクって・・・」
「趣味です・・・」
「コレ・・・
ウチの娘が笑い転げて、「殺す気か!?」なんて言ってたけど・・・」
「・・・・・・」
「クソゲーじゃない!
ウンコばっか出てくるし!」
「はい。
子供の頃、
地元では、樹脂製の「ウンコフィギュア」をつくって友人たちに配布していました。
なので、「クソガキ」って呼ばれていました。」
「・・・・・・」
なんなの?
この子・・・
稲荷神の少年、登場です!




