第3094話 神聖私諒海賊艦隊では・・・
神聖私諒海賊艦隊・・・
「ほほう・・・
これは独創的にゃ。」
クイーンエスメラルダス号の星野鉄子は、ドックに運び込まれた無数の兵器や部品を分析していた。
「どう?」
エスメラルダスが尋ねる。
「なんか、いい感じのデータにゃ。
奴らの提示した価格も納得にゃ。」
「じゃあ、キティルハルムの補給艦やネオ・メカミクスにコピーしたデータを転送しておくぜ。」
唐揚げさんが器用に脚でコンソールを操作し、データを送っていく。
「しかし、あんな火事場泥棒が役に立つのも考え物だぜ・・・」
「まあ・・・
一見悪いことでも、役に立つことはあるにゃ。」
鉄子はちょっと考えて言う。
「戦場で奪うのは・・・
実は二種類あるにゃ。」
「二種類?」
「鹵獲と略奪にゃ。」
似て非なるものだが。
「屁理屈みたいだけど、「敵」から奪ってもいいにゃ。
これを「鹵獲」というにゃ。
けど、「民間人」から奪っちゃだめにゃ。
これを「略奪」というにゃ。」
うーん・・・
とうなる唐揚げさん。
「末期状態の軍隊が、金や物を奪ったって聞いたことがあるけど、そーいう国は非難されてるな。」
「にゃ。
中には、追い詰められているわけでないのに略奪する兵士もいたとか。」
まあ・・・
「海猫隊」や「泥棒鼠隊」は、「鹵獲」専門と言えなくもない。
「さて・・・
このデータをもとに、こっちでも開発を進めるにゃ。」
実は「敵」から奪ってもいいんです。




