第3081話 エスカレート
「ノーベル・・・
誰にゃ?」
「地球の古大戦争期・・・
兵器の開発がエスカレートした。
顕著なのが「第一次世界大戦」「第二次世界大戦」だ。
この時期・・・
今はキティルハルムでも鉱山開発に使用される二種の爆薬が開発された。
「液体爆薬」と「粉末爆薬」だ。」
その言葉に、ファクトリアは目を丸くする。
「あれって・・・
ニウ一世のころの作品じゃなかったのにゃ?」
「違う。
あの頃は、鉱山開発を加速させる必要があった。
だからそれより前の女王が王立図書館の書からつくったとある。」
とにかく・・・
とアルナスは続ける。
「エルフ古代文明の祖は、とおく・・・
地球文明発祥であるようだ。
まあ・・・
現代においてはその両者は、キティルハルムの騎兵にすら効かんが・・・
それでもその闘法を持っていなかった当時の人類からすると・・・
どんなに恐ろしかったか。
開発したノーベルは・・・
あなたと同じことを信念としてより強力な爆薬を開発していったが・・・
晩年・・・
自らの遺産を功績ある者に分け与えることで償おうと考えた。
これがノーベル賞だ。」
「肝に命じるにゃ。
そーいう側面もあると。」
ファクトリアは神妙な表情になる。
「たとえあちしの理論が正しくても、そう思わないヤツもいるって。」
「そういうことだ。
ノーベルは関わらなかったが・・・
原子爆弾も同じだった。
結局、保有国は封印したようだがな。」
「現在のリシテアールでは、それもどうかとも・・・」
「ああ。」
二面性です。




