第3075話 講釈
「犬とは、狼から人がつくった動物です。
また・・・
人狼族のなかでも、人間族との社会に溶け込んだ者が人犬族となるようです。
ならば・・・
同じイヌ科の動物である狐から、犬をつくれるのでは?と考えた生物学者がいました。
彼は、狐を集め・・・
懐きやすさを基準にA、B、C、Dとランクを決め・・・
世代を追って交配していった結果・・・
犬のようにバリエーションが増えただけでなく・・・
穏やかな顔立ちで、人に甘える個体が続出しました。
それも、すべてのランクで。」
「どーいうことですか?」
アメテが食いついてくる。
「人間・・・
社会秩序には、「内なる狂暴性」は邪魔なのです。
防衛の戦闘本能だけあればよろしい。
だから、人間社会は・・・
「同胞を守る戦闘本能」を優先して、「同胞を攻撃する戦闘本能」を排除していったのです。
結果・・・
猿人のときより、おだやかな性格になったのです。」
「それが家畜化進化論?」
「はい。
いやでしょう?
競技でもなくいきなり襲われるのは。」
そうしていると・・・
「ミリアム女王・・・」
「どうされました?」
アテナ神が声をかけてきた。
「あなたの家臣は一体なんですか!?」
「どうされました?」
「人を黒い水に変える殺人病原菌を考案しています。」
「あんのやろう・・・
さすが「神をも恐れぬマッドサイエンティスト」だ・・・」
それを聞いたアメテは、目を点にしていた。
これって・・・




