第3073話 向こうはどう出るか
「くくく・・・
怖い怖い・・・
神に片足つっこんでいるバケモノの女王に逆らうわけにもいかんな。」
ガルス神は、ニヤリと笑った。
「では・・・
今の会談・・・
しかと・・・
記録しておるな?」
「は・・・
はい!」
オペレーターが、あわててうなずく。
「とりあえずだが、そちら二つの宇宙と私との合意ということにして、私は退こう。
が、こちら側全てが従うと限らんのでな。」
「それで結構です。」
ミリアム女王は、ニヤリと笑う。
「猫」さながらに。
「よくあることです。
前線の指揮官が、敵の実力を知り、仲間や上層部に箴言するも、却下される例などいくらでも。
それでも、この合意にはあなた様の責はございません。」
そうして、ガルス艦隊は撤退する。
「ねえ!
もうあいつらこない?」
アメテがニケ神に尋ねる。
「陛下も言われたにゃ。
あいつが退いても、敵はくるって。」
「じゃあ・・・」
「陛下もえぐい戦略考えたにゃ。
このままいくと、うまくいった場合敵同士で、争うにゃ。」
ニケ神は真剣な目でアメテを見る。
「でもさあ・・・」
「まあ・・・
希望なら、これでもう攻めてこないか条約締結使節を送ってくれれば終わりにゃ。
けど、そうでないことは歴史が証明しているにゃ。」
言うと、ニケ神は聖書を閉じる。
「将軍が承諾しても、王様がイエスを出すとは限らんにゃ。」
ニケ神は、真顔で言う。
「自由の女神様が言うの?」
「「自由」ってのは、「権利」と「義務」とで構成されているにゃ。
自己中というわけじゃないにゃ。」
とりあえずは・・・




