第3064話 やりすぎのくせに神罰を食らわない女
「あの~・・・
ここまでやって、この人って陛下にも神にも罰を受けないんですか?」
アメテがドン引きの表情で言った。
そこで先ほどのオペレーター・・・
人鼠のマモセットが、彼女の肩に手を置く。
「いいですか?
この世には実績や実力が凄すぎて、「罰したらそれが損失」という厄介な人もいるんです。
その稀有な方の一人が、キティルハルム科学長官ファクトリア閣下です。」
妙に諦めたような・・・
悟ったような表情だ。
「アメテ少尉・・・
あなたはまだ若いので、実感がないでしょうが、これが「現実」です。」
そこにいた神々や将官たちは、一斉にうなずく。
「が・・・
ガチですか?」
「はい。
ガチです。
さすがに社会に迷惑をかけると法廷沙汰にはなりますけど。」
そこで、マモセットはナキを見る。
「訴訟こそされませんでしてけど・・・
陛下から聞きましたよ?
「お食事券」。」
「そ・・・
それは・・・!
にゃーッ!?」
「なんでも、宰相家に「創作料理アリア」の食券を数万ノワール分を渡して便宜を図ろうとしたって。
まあ、その場で取引をやめたこともあってか、恩赦で「なかったこと」にしていただいたそうで。」
全員の白い目が、ナキに集中する。
「つまり・・・
成立すれば、評議員でも訴訟されるということですね。」
「ナキ閣下・・・
そんなことやっていたのか・・・
三毛猫のくせに腹黒いな・・・」
アルナスが言う。
「く・・・
黒歴史にゃ!」
慌てるナキ。
「そ・・・
それより、敵艦隊にゃ!」
「汚職事件」です。




