第3041話 最古の工兵とは
「最古の工兵・・・
それは・・・
私たちの宇宙でいうところの神話の時代より昔の・・・
ローマ帝国軍です。」
「ローマ帝国軍?」
タルタロス宇宙側の神々が言うと、ミリアム女王はイメージ動画を展開する。
青銅の鎧をまとった兵士たちが、巨大な溝を掘り、砂利を敷き、コンクリートで固め、砂で覆い・・・
その上に石畳を敷いていく・・・
「こ・・・
これは・・・
道路工事ではないか!」
「はい。
やがて、軍が近代化・機械化を進めていくうち、その分野は「工兵隊」として発展していきます。
陣地を築いたり、列車砲運搬のレールを敷いたりとね。」
ミリアム女王は、にっと笑った。
「猫」さながらに。
「しかし、ミリアム女王よ。
かねがね、自国の自然災害には自ら機動兵器を駆って駆け付けるそうではないか。
河が氾濫したときなど、機体で増幅した氷系魔法で岸を凍結させ、工兵隊や建築ギルドに堤防を築かせた。
なお、その費用は自費で賄ったそうだな。」
シェス神が言う。
「こう見えても、パテント料や特許で稼いでいますし、血税を使いたくありませんからね。
もっとも・・・
評議会からは怒られましたけど。」
ミリアム女王が答える。
「「「え!?」」」
「当然でしょう。
上に立つ者は、民のために戦うものです。」
「うう・・・」
ケト女王が、なにやら嗚咽を・・・
「ううう・・・
ぐすッ・・・
感動いたしました!
お・・・
お教えください!
その偉大な思想を!」
泣きながら懇願している!
「そ・・・
そこまで・・・」
ミリアム女王は、ちょっとひく・・・
「では、説明いたしましょう・・・」
最古の「工兵」は古代ローマ軍です。




