第3036話 建設作業
「ここにゃ!」
海猫隊が、資材を運ぶ。
「はわ~・・・」
アメテは、キティルハルム艦隊が「工事」をしているのを見ていた。
「そこは、エル建設の社長エニル・エルの指示に従いなさい。」
言いつつ、ミリアム女王の声が響き・・・
ガンダール・ミリアリアⅡが、溶接作業をしている。
「へ・・・
兵隊が建築するの?」
「問題ありますか?」
「い・・・
いえ・・・
あ!
あの機動兵器・・・
あきらかに「作業用」だよね?」
旧タイラントでは、機動兵器は作業に使われていなかったようだ。
「ウチの宇宙では・・・
太古の神話の時代・・・
ローマという国の兵隊が建設工事をしていました。
これが最古の「工兵隊」です。
特に宇宙では、要塞や宇宙都市建設に、専用の機動兵器を使用します。
とはいえ・・・
機動兵器は汎用兵器。
戦闘用でもできないわけがありません。」
「はわ~・・・」
私の説明に、アメテは茫然としていたが・・・
「あ!
エルって家名を聞いたんだけど、それってキティルハルムの建国貴族の子孫で、上級貴族じゃなかった!?」
「そうです。
が、正確にはキティルハルムの最重要意思決定機関である「評議員」の一人をその中から一族の代表・当主が努めます。
貴族然としているのは、宰相家くらいです。
彼らは国・企業のトップ。
言わば、その道のプロです・」
「じゃあ・・・
あのエル家の当主って、建築会社の社長で、建設のプロ!?」
「ええ。」
「す・・・
すげえ・・・
キティルハルムって技術集団じゃん!」
「それが強みでした。」
無重力空間で要塞建設です。




