第3022話 太古の法典
ケトシー王国宮殿・・・
「くくく・・・
あの女王・・・
しれっと怖ろしいことをいうのお・・・」
老師が笑った。
「どういうことですか?」
ケト女王が尋ねる。
「それは・・・
法のスペシャリストの方が説明が容易であろう。
テミス。
説明してやれ。」
「はい。」
テミスが説明を始める。
「神話の時代より昔・・・
自国を統一した偉大なハムラビという王がいました。
王国は豊かになっていくのに、犯罪が絶えません。
そこで、「目には目を歯には歯をもってせよ」から始まる法典を制定しました。」
「「殴られたら殴り返せ」という意味ですね?」
しかし、テミスは首を横に振る。
「Aという人が1万ノワール持っており、Bという者が5000ノワール持っているとしましょう。
そこで、BはAを殴って、1万ノワールを奪うとします。
そうすれば、AはBを殴り返し、1万ノワールを取り返すのみならずBから5000ノワールを「奪わなければならない」のです。」
その言葉を聞き、一同は顔面蒼白になる。
「つまり・・・
この仮定で言うなら・・・
Bは5000ノワール失いたく無くば・・・
Aを殴って、1万ノワール奪ってはならぬということですね。
早い話・・・
「相手を害するなら、相応の覚悟をせよ。」であり「自らの行為に責任を持つべし」というのが本来の意味。」
「そうです。
まあ・・・
後世には勘違いされ「やられたらやりかえすべし」となっておりましたが。」
そこで、老師はニヤリと笑う。
「この例えで言うなら・・・
奴ら・・・
5000ノワール以上の負債となろう。
ほっほっほ・・・」
ルルーシュ陛下も言ってました!




