第3018話 害獣には恐怖を与えよ
「うわああああああああああああああああああああッ!」
敵艦隊は混乱していた。
1:470で、無双されているのである。
「ありえんだろおおおおおおおおおおおおおおッ!」
あり得たのだ。
これは、キティルハルム王国の技術力の高さだけでなく、操艦するミリアム女王たちの実力や技量によるところも大きい。
おまけに、甲板に張り付いた機動兵器が銃砲撃をしつこくおこなってくるのだ。
しかも威力・命中精度ともに撃ってきていて、確実に大量の艦を沈めている。
ミリアリア艦橋・・・
「容赦ないにゃ。」
「する必要はありません。
事実・・・
キティルハルムの「熊さん」が対処できない野生の熊はどうしていますか?」
言うナキに私は聞く。
「あ~・・・
熊さんが「実力行使」するか、ハンターが撃つかしてるにゃ。」
「我々は同じことをしているだけです。
「害獣」には、恐怖を与えなければなりません。」
私は、ニヤリと笑った。
「猫」さながらに。
「元来、軍隊の目的は・・・
戦争そのものではなく・・・」
「相手に「攻め込んだら、自分がやられる」と思わせて防衛することにゃ?」
「そういうことです。」
かつて、防衛一辺倒の軍隊しか持たない平和国家をなめまくってしつこかった時代もあったようだ。
「ただ・・・
そのころは、その「専守防衛の軍隊」は、どことも戦争する気はなく・・・
それでいて、「殴ってきた相手をその拳で倒す」ことができる戦力があったようです。」
ひでえ・・・
害獣・・・




