第2994話 創世への暗闘
別の空間・・・
「おお・・・
司書神様。」
宇宙を模した空間に、少年の姿の神がいた。
「おかげさまでこのタルタロス宇宙も安定しそうです。」
「そうか。
ってか・・・
本来、別宇宙同士・・・
深淵の図書館が繋がるのが当たり前なんだけどね。」
司書神は、ジト目で言う。
「ウリナラース神は、変な欲を出して深淵の図書館をつくらなかったか・・・」
刻一刻と、情報が集まり、巨大な本棚が次々と出現する。
「あーあ・・・
これでトトのヤツにもまた文句言われるぞ・・・
ブラック労働モンだって。」
なにせ・・・
「すげえ・・・
トト様の手が見えねえ・・・」
ショータが口をぽかんと開けていた。
「これが「書記神」の力だ。」
シェス神が説明する。
「個人端末でも膨大なデータを記録するであろう?」
「それと一緒で、「バックアップ係」が必要ってことか。」
「うむ。」
「私たちとてタルタロス宇宙を崩壊させる気はありませんから。」
私が言う。
「ただなあ・・・」
「この神様・・・
自分自身を深淵の図書館にして何かあっても、誰にも攻撃できないようにしていたようだねえ・・・」
アルナスとジョルジュが、解説する。
「きたねえ!
自分自身を「人質」にして保身していたのかよ!」
「だろうねえ。
そうすれば、自分が倒れれば、宇宙が崩壊する的な?」
ルカ神が、炎の矢を作り出しつつ言う。
「「神」がしてはならないことです。」
アリーナ神が、冷徹に分析する。
「さて・・・
創世への暗闘といくか。」
シェス神がニヤリと笑った。
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