第2988話 力技
「らちが明かんにゃ!」
ナキがキレかかる。
「ならば・・・」
私は悠久の図書館を振るう。
「時間加速!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!
「お・・・
おおう!」
ファクトリアがうなる。
「にゃーははは!
これは・・・
さすが陛下!
すげえにゃ!」
「???」
理解できていないナキ。
「さて。
重力加速度というものを知っておるかな?」
そう言ったのは、シェス神だった。
「早い話・・・
高速でぶつかる物体やエネルギーは、遅いよりも破壊力が増す。
高所より落下する物体が、低所のそれより破壊力が高いのはそのためだ。
それを、容易にする手段が・・・」
「くくく・・・
「時間魔法」ってワケだね。」
「うむ。」
ジョルジュが答え、シェス神がうなずく。
「つまり・・・
陛下は通常より威力の低い連射攻撃に変えたワケだ。
では私も・・・」
アルナスは、印を結ぶ。
「火炎速射砲!」
アルナスの火炎魔法が、砲兵隊の攻撃に加わり、ジェノサイドと化す。
「ならば私もやるか。」
シェス神の周囲に、黄金の羽根が無数に出現する。
「黄金羽根吹雪!」
攻撃は続く。
「くくく・・・
どっちが根負けするかな?
見たところ、ウリナラース神は一柱。
しかし・・・
こちらは神と人を合わせて数名。」
アルナスがニヤリと笑う。
まさしく「力技」だ。
ジェノサイド!




