第2969話 かくの王のごとく生きられるか
「さて・・・
グラドラン被告・・・
あなたは、侵略戦争のための経費のため・・・
「国防」と偽り、税率を引き上げ、国民を飢餓に陥れた。
そればかりか、他国に侵攻し、他民族を無意味に虐待した。
相異ないか!?」
ライティアは、グラドランに質疑する。
「我が帝国は・・・
タルタロス宇宙に覇たる帝国だ!
ゆえに無敵の軍隊・・・
領が必要なのだ!」
そのグラドランの言葉に、テミスの天秤が傾く。
「では・・・
全ての「覇業」に反対する皇族を抹殺し・・・
権力を固め・・・
民衆の意見を封じた!
これは、「民意の封殺」である!」
「反逆だ!」
さらに、天秤が傾く。
「さて・・・
証人をお呼びしてよろしいか?
テミス様。」
「はい。」
その言葉に、独自のデザインの軍服に身を包んだ若い兵と・・・
それに護衛された少年が現れた。
「グラース皇族ハルヘルム・グランです。
全ての皇族は、彼の無茶な拡張政策に否を唱えました。
ライティア殿下の言う「民意」総意のもとにです。
それゆえ・・・
グラース皇族は、私一人しか残っていません。
従って・・・
彼は・・・
民意を踏みにじっているものと思われます!」
ハルヘルムは、訴えかけた。
「冒頭の、清仁大帝のお言葉をお聞きしたか!?
あなたには・・・
「それ」がない!」
そこで・・・
ぴこんッ!
テミスが、ピコピコハンマーで机を叩く。
「証人は静粛に!
あと・・・
各地のレジスタンスの提出した「証拠」も存在します。」
各地・各惑星での略奪や暴力・・・
それがまかり通っていた。
「では・・・
審議を・・・
私のこの天秤・・・
これは公正なる「正義の女神」より授かった「神器」です。
皆様から見ての右に傾けば有罪。
左に傾けば無罪です。
おや?
右に傾いていますね・・・」
テミスは、ニヤリと笑う。
「さて・・・
この帝国は・・・
これらの罪状に・・・
どのような刑罰があるのでしょうか?」
「正統な」皇子様登場!




