第2968話 グラース裁判
グラース宮殿・謁見の間・・・
惑星グラースやグラース帝国の主だった人物が、集まっていた。
「これより・・・
グラース帝国の侵略・並びに「無差別大量殺戮」の裁判を開廷致します。
本来なら、最高裁判官たる私の補佐に、キティルハルム女王ミリアリア・イスレ・キティルハルム陛下が就かれるはずですが・・・
戦時中のため、代行として「ミリアリア大公ライティア殿下」にその役をお任せしました。」
テミスは、マントの留め金を外す。
留め金は、天秤に姿を変える。
「さらに・・・
参考になるかと考え・・・
我が宇宙で、最も古い王家の皇帝にご足労に願った。
どうぞ。」
ライティアが、ローブを翻し、大衆代表の前で宣言する。
そこに・・・
狐の耳と尻尾の堂々たる男性が、ケモ度80%の猫少年を伴って歩を進めてくる。
「銀河連合大帝・清仁と申します。
さて・・・
どこからお話いたしましょうか・・・」
清仁大帝は、にこやかだが覇気があった。
彼と猫少年は席に就く。
「かつて・・・
私の先祖の帝の時代・・・
我が国は・・・
大敗を喫したのです。」
大帝は、演説を始めた。
「彼は・・・
敵の総大将に・・・
「戦の全ての責任は私にある。
ゆえに、将兵を裁いてくれるな。
国民を飢えさせてくれるな。
さすれば、私の首を差し出そう。」と申されました。
総大将は思ったそうです。
「普通は敗戦国の王。
命乞いをするかと思った。
しかし・・・
明らかに自分の責でないことまで被ろうとしている!」と。」
こほんと咳ばらいをして、被告席のグラドランを見た。
「おっと・・・
夢中になって話し過ぎましたね。
では、テミス様・・・
ライティア殿下。
開廷をお願いします。」
清仁大帝は・・・
おおっと!
これ以上はいけない!




