第2967話 採決
「永久氷河烈!」
「ぐおおおおおおおおおおおおッ!」
私の放った凍気に、凍り付いていくグラドラン。
「さて・・・
あのチキンが面倒なことをしました。
ライティアを置いておくので、グラドラン皇帝の司法処分をお願いします。」
私は、背後に声をかけた。
すると・・・
「さすが陛下。
私が背後にいると、よく気付かれました。」
「だ・・・
誰だ・・・
この女は!」
エルフ系の女性で、剣を帯び、天秤型の留め金のマントの判事のような女性だ。
「私ですか。
私は・・・
天空の大魔王ハイペリオンの娘で、正義の大魔王テミス・リーブラと申します。
申し訳ございませんが、あなた様の所業・・・
調査させていただきました。」
テミスは、グラドランを見た。
「わ・・・
私は・・・
悪くないぞ!
贅を尽くすことは・・・
義務なのだ!」
「やれやれ・・・
一刻もはやく神々と合流したいところなのですが・・・」
私は、テミスを見た。
「時間が、少しかかるのですよねえ。」
そこで・・・
ばさッ!
一人の翼の生えたウサギ少女が、投網を投げる。
「では陛下。
行くです。
この網・・・
内からは破れないです。」
そこで・・・
ぱちんッ
指を鳴らし、解呪をかけ、術を解く。
そうして、ミリアム女王たちが去った後・・・
テミスは、酷薄に微笑んだ。
「私は、裁判を進めるだけです。
法に従ってね。
さて・・・
あなたの民に、温情を向けてくれる者がいくらいるでしょうか・・・」
テミスです!




