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第2961話 税金を国民から受け取らなかった王

「よい話をしましょう。」


グラドランは、攻撃魔法を乱発してくるが・・・


私は、女王の演舞(ノワールロンド)で相殺していく。


「ある惑星のある国の話です。

かつて・・・

王は、宮殿のベランダから城下を見ていました。

見ると・・・

お昼時だというのに、家々から煙が立っていません。

不審に思った王は、家臣に尋ねました。」



「それは・・・

国民が、税金を払うのに精いっぱいで、自分の食事ができぬのです。」


それを聞いた王は・・・


「それはいけない!

私は王として、国民の生活の面倒をみる立場にある。

そんな私だけが、国民の世話になっていてよいはずはない。」


そう言うと・・・


「今より、三年・・・

免税期間を設けよう!」


しかし、王としても、宮殿の屋根が雨漏りしていて、すぐにでも業者を呼んで修理するための見積もりをしたいところだったのです。


そして、三年・・・


「おお!

すばらしい!」


同じようにベランダから城下を見た王は、全ての家からご飯の煙が立っていることに満足しました。


「よし!

後一年!

いや・・・」


調子に乗る王。


だが・・・


「おやめください!」


なんということでしょう。


泣きながら、国民たちが税金を納めにきたのです。


「これ以上は・・・!」


中には、宮殿の惨状を聞いていた者たちが、屋根の修理を勝手に行う始末。


「わ・・・

わかった!」


これより王は、税率を下げた上で、農地の整備や街の開発計画を打ち出していき・・・


以前と違い、国は豊かになっていったそうです。



「これが、かくあるべき王の姿です。」


私は、英知の爪(ビブリオクロウ)をグラドランに向けた。

これ、日本の古代の話なんですよ。

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