第2958話 進撃!
グラン宮・・・
「圧倒的だろ!
敵軍は!」
グラドランは、わめいた。
「うわーッ!」
グラドランの騎士たちが吹っ飛ぶ。
なぜなら・・・
「ナトリウム光線ッ!」
ナキが攻撃を連発していたのだ!
そうして、障害を撥ね退けていくその後ろから・・・
騎馬の魔導師女性が・・・
なかなかに威厳がある、知的な黒猫系の女性だ。
「ここまで攻められて、まだ出てこないとは・・・
それでもあなた・・・
「国家元首」ですか?」
馬上から、刺すような冷徹な目だ。
「う・・・
うるさい!
きさまの進撃が速すぎたんだ!」
グラドランは、わめき散らす。
「まあいいです。
我が名は、キティルハルム女王ミリアリア・イスレ・キティルハルム。
武装解除をお願いしに参りました。
応じられぬ場合は・・・」
彼女は、すっと目を細めた。
「おわかりですね?」
「猫」さながらに。
「なぜ、こんな程度の「降下部隊」で攻めてきた!?
ナメすぎだろ!?」
「民間人に可能な限りの被害を与えぬためです。
やろうと思えば、地表全てをあなたごと焼くのは、ワケのないこと。」
ミリアム女王は、機械軍馬から降りる。
「国民の糧を全て、兵力に全振りですか・・・
はあ・・・
これでは、肝心の国防もできませんねえ・・・」
ミリアム女王は、その長い杖をぶん回し、床に突き立てる。
ズンッ!という重い音がする。
「さあ・・・
覚悟はよろしいか・・・?」
ナキ・・・
まーた、ナトリウム光線を・・・




