第2954話 若葉の頃
キティルハルム建国期・・・
「学校制度と貨幣制度の立ち上げですか。」
主だった者たちが、評議員たちに言う。
「はい。
確かに、スラムは厄介です。
ならば・・・」
「誰でも文字を読み、知識を最低限度扱えるようにするにゃ。
それと・・・
ウチの国・・・
そろそろ他国のお金で、流通は卒業するころにゃ。」
エラルとミケランジェロが言う。
「ミケランジェロ商工ギルドマスターの学校草案は、よくできています。
「義務教育」ですか・・・」
ここにいるのは、魔導士トラルティールだ。
彼こそ、超魔王ガルアレートの「血の封印」を施した張本人であり、トラルティール王家のそもそもの「初代」である。
「でも・・・
後世の子供たちは、あなたを恨むのではないのですか?
ミケランジェロ閣下。」
「別にいいにゃ。
上手くいけば、図書館でアホな書物をタダか安価で読めるにゃ。」
事実、後世に、王立図書館でアホなマンガを読んで、バカ笑いする国民がいたりするのだ。
「では・・・
通貨を、「ノワール」とするのはいかがでしょう。
そして、その基準とするのは・・・」
そのときだ。
ノワール女王の次女であるアルムが、クマの死骸を引きずってきた。
「どーしたにゃ!?」
「修行の邪魔なので仕留めました。」
しれっと言うアルム。
「って・・・
首をキレイに撥ねて・・・
「お宝」にまるっと穴を・・・
すげえにゃ・・・
ん?」
ミケランジェロは、手をぽんとたたく。
「その熊の首・・・
欲しいにゃ!」
「何に使うのです?」
「石膏取りして、金で鋳造するにゃ!」
「・・・と・・・
こんな感じで決まったのですよ。」
要塞空母艦エレノーラ艦橋にて、ノワール神が語った。
「どういう趣味をしているのですか!?
ミケランジェロ神は!」
ハルカ神は、ツッコんだ。
コレが、キティルハルムの教育制度と通貨のルーツです。




