第2953話 かつてのキティルハルム
「思えば・・・
ノワール様のもと・・・
我々がキティルハルムを建国に着手したころ・・・
あの頃は大変でした・・・
ノワール様は、子供だった我々を食わせていくため、滅びた世界にて・・・
必死の働き・・・
文明の遺した書を紐解き・・・
皆の住居を建て・・・
やがて我らにも子供ができ・・・
街ができ・・・
国となり・・・」
ふっと微笑むエラル神。
「今は、ノワール様の子孫たるミリアム女王が、あのころと比較にならぬほど発展させている・・・
でも・・・
再び訪れたとき・・・
「ああ・・・
我らの仕事は無駄ではなかった・・・」と思い、懐かしくなりました。
そうして・・・
星の・・・
ひいては宇宙のために残った知識を守り、積み重ねる「図書館の司書」となった。
こうして、血筋・・・
役割は、継承されるものなのです・・・」
要塞空母艦エレノーラ艦橋・・・
ノワール神は、コンソールに突っ伏していた・・・
「あ・・・
あのアホが、まともなことを・・・」
「ノワール・・・
彼は、言わばあなたの子・・・
成長したと喜ぶべきでは?」
楪の魔女が、引きつりながら言う。
普通に見れば、「母親」モーションだが・・・
「ご無礼を承知で言いますが・・・
彼は、「札付き」です・・・」
ノワール神が、微妙な表情で答える。
「そ・・・
そういえば・・・
古代文明の生き残りの人間族移民を引き受けたとか・・・」
そこで、ジト目。
「それ・・・
宇宙空間で無双しているアホの発案です。
王立学校の設立は、彼女の案ですよ。」
ノワール:お前が言うなーッ!




