第2938話 エラル家の祖
「彼女の末裔は・・・
物流と経済を牛耳っていると聞く・・・
これが・・・
初代評議員の一人か!?」
ハルカ神は驚愕していた。
「フフフ・・・
名高きハルカ神も、彼女は常識外のようですな。」
そう言って、エレノーラの艦橋に入ってきた男がいた。
キティルハルムの民のようだが、ヤサ男だ。
「あなた・・・
子孫の行動に責任を持ったらどうです?
初代宰相。
いや、「参謀神」エラル。」
ノワール神が、男に言う。
「くくく・・・
さすがノワール神。
手厳しい。」
笑いながら、髪をかき上げる。
地球で言うところのアメリカンショート・ヘア系である。
「あなたの子孫の一人が、惑星国家の宰相になっていますが・・・
名前通りだと言われていますよ。」
スケコマースのことだ。
「私は、モテましたからねえ。」
言うと、参謀席にどっかりと腰を降ろす。
「後から聞きましたが・・・
彼女の子孫も代々、破天荒でしたな。
首都防衛戦で、ダイナマイトを詰めた陶器を敵の頭上から落としてあわや火災一歩手前に追い込んだり・・・
大魔王のに火炎瓶をぶつけて、火炎魔法を叩きつけたり・・・
当代に至っては、当主が彼女そのままとか、件の惑星国家では「鉄砲玉」と呼ばれる者もいたり・・・」
飄々としたエラル神を見て、ハルカ神はノワール神をジト目で見る。
「この人・・・
黙っていれば、好感度は万人から高いのと違いますか?」
「ええ。
後・・・
娘のキティルハルムの婿は、この男の息子です。」
その一言で、ハルカ神は再度「石化」した。
デター!
エラル一族初代!




