第2935話 光の王は、「智る」者
「あと・・・
あの敵将・・・
「定石」通りの戦いしかできんとみた。」
シェス神は言う。
「創作物の作家・・・
クリエーターと申すが・・・
彼らは・・・
時に、神をも越える想像をするものだ。
地球の20~21世紀に・・・
マルチバースを越え、宇宙を記録する記憶機械とそのしもべの一族を描いた漫画もあったのだ。」
「それは・・・?」
「森羅万象の全てを「情報」から再現・再生するというものだ。」
シェス神の言葉に、ハルカ神はハッとなる。
「似ておろう?
そなたの理論と同じよ。
地球では、古来からDNA・・・
つまり遺伝情報から生物は形作られているとされた。」
「・・・」
「あと・・・
そのしもべの種族は・・・
相手の行動を「予測」し、「先回り」する。
だから、「型破りな策」に弱かった。
くくく・・・
ミリアム女王には、こういうオタクネタはずいぶんと引き出しがあった。
タルタロス宇宙の神族は、「そういう」者が多いとみた。」
彼は、人間として輪廻転生を続けた記憶すらある。
「ふむ。
かつて、私がバカにした創作物もなかなかですね・・・
とすると・・・」
「意外に・・・
ミケランジェロ神あたりがやってくれそうだな。」
シェス神は「神」がしてはいけない表情をした。
「ですね・・・
彼女の非常識な戦いは、読めない。」
ハルカ神は苦笑した。
それを言ってしまうと、彼女の子孫一般もそうなんだが・・・
シェス神の引用した漫画は、長谷川先生の作品です。




