第2928話 常識外れの芸術神
「にゃふふ・・・」
ミケランジェロ神は、両手を広げる。
両手にそれぞれ、神波動を集める。
「このミケランジェロを舐めたら、1億倍になって返ってくると心得るにゃ。」
まるっきり、悪魔のような表情だ。
「ううッ!」
メディスン神は、完全にビビっていた。
「にゃーッ!」
右手の神波動は、ハンマーに・・・
左手の神波動は、ノミに変わっていた。
「お・・・
おおう・・・
カ・・・
混沌金属!」
「あちしは、芸術の神・・・
キティルハルムの商工の祖にゃ。」
事実、ミケランジェロ家の宗家の作業場には、使われなくて久しくとも、彼女が愛用したノミが神棚に飾られている。
「ぐおおおおおおおおおおおおおッ!」
メディスン神は、懐から小瓶を取り出す。
それを一気飲みする。
「お手向かいいたしますぞ!」
すでに座った目で、メディスン神はメスを握って斬りかかってきた。
「甘いにゃ。
チーズケーキよりも。」
ミケランジェロ神は、闘牛士の要領でかわし・・・
「!!!?」
すれ違っただけ。
しかし・・・
「メスを見てみるにゃ。」
「!!?」
そのメスの刀身には・・・
「オス、メス、ブス、カス」と流麗な文字で彫られていた。
「最近の子孫共は・・・
この程度もできんボンクラばっかにゃ。」
「無理です!」
当たり前だ。
むしろ、ナキやファクトリアがその域にいるとしか言えんのだが・・・
「にゃーッ!」
ミケランジェロが、ノミを振るう。
「!!?」
気付くと、艦橋内が、バロック彫刻風になっていた。
ミケランジェロ家の祖とは・・・




