第2926話 裏切りの医神メディスン
「くそッ!
よもや、ノワール様やハルカ様に感づかれるとは!」
かつては医術に邁進したが、オルゴデミウス神に傾倒して裏切った「元」人間の亜神だった「医神メディスン」だ。
「おのれ・・・ッ!」
彼は、かつて・・・
ナキによって倒された「その他大勢」の神だったりもする。
「だが・・・
こうしてこちらにいることは、気づかれては・・・」
旗艦エルハイムの艦橋で、指を噛むメディスン神だったが・・・
「にゃーははは!」
独特のミケランジェロ家の者の笑い声。
見ると、艦橋の窓に・・・
「み・・・
ミケランジェロ様!?」
そう。
やはり元人間で、リケ神の母・ミケランジェロ神がヤモリのように張り付いていた!
「にゃーははは!
ノワール様たちの話を立ち聞きして、アタリをつけたらやっぱいたにゃ!
そ~だったにゃ~?
人間艦隊が、見た覚えのある怪しい薬を使ってるって言ってたにゃ~?」
コワい。
まるっきり、古典的な怪談のようである。
「大方、うろ覚えの「甘露」をつくろうとして・・・
材料がなかったか、技術的に無理だった部分があって、既存のヤクでごまかしたにゃ?」
「なぜそれを!?」
メディスン神は狼狽する。
「当てずっぽうにゃ。」
ミケランジェロ一族の大雑把な性格は、祖である彼女の遺伝情報によるところが大きいだろう。
たぶん。
「勘のいい神は嫌いですよ?」
「結構にゃ。」
ニヤリと笑うミケランジェロ神。
「少なくとも・・・
アンタを倒せば・・・
「似非」甘露は作れないにゃ。」
久々のミケランジェロ神!




