第2916話 薬漬けの艦隊
「我々の宇宙にも、似たようなことをした国家がいくつあったことか。
重度の薬漬けにして、それをエサに行動する兵士を量産し・・・
狂戦士へと変えるのです。」
「麻薬でも、それだけのことができるということは、神酒の不完全なものであれば、より凶悪なのですね。」
ケト女王が言う。
「ええ。
力を律することができないことほど恐ろしいものは、存在しません。
時に、自分の実力以上の相手に無理に挑んで、滅ぶ場合もあります。」
私は、ケト女王に説明する。
そして・・・
「ここは、一気にかたをつけます!
総攻撃!
あと・・・
我が艦は・・・
敵旗艦に、突入ののち、移乗白兵戦をおこなう!」
私は、全艦隊に声をかける。
「陛下、マジにゃ!」
「ええ。
こんなヤバいヤツら、相手にしていられません!」
ナキに言うと、私は操縦桿を握った。
「変形開始!」
可変艦が、次々と変形しはじめる。
トラルティール旗艦・・・
「こりゃ、陛下は本気だな。
と、いうことは、ヤツら・・・
ヤクをキメてるな。」
アルナスは、敵の挙動を見て感じていたのだ。
「アリス艦隊!
勇者艦隊!
味方が変形を終えるまで粘れ!
どんな手を使ってもいい!」
アリス艦隊・・・
「どんな手も?」
アリスは、ニヤリと笑った。
副官は、「どんな手も使うんだろうなぁ。」と思っている。
「くくく・・・
こんな私だけど・・・
アルナス卿には、いろいろ教えていただいたしねえ?」
ウサギは、怖い。




