第295話 最初の総合導師
旧姓ライテス・ヴァルシュタイン・・・
彼は、トラルティールの騎士として、当時の王ユーフェルに仕えた。
詳細は省くが、彼は邪馬台国の建国皇帝スサノオに助言し、その息子・二代目皇帝ヤマトタケルの師であることでも知られる。
ユーフェル王の妹、エリアリアが彼に臣籍降嫁し「ライテス」と名乗り、「ライテス家」初代となる。
やがて、トラルティア王だったユーフェルとウズドガルド女王の婚姻によって、永らく分裂していた両国が統合。
それに伴う財政悪化を、旧ウズドガルド領で発見されたボーキサイト鉱山と、アルミニウムの電気精錬法で見事にかわした手腕で、評価される。
考古学者としても優れており、それまでラムンセン領に埋まっていた神話の時代の宇宙戦艦の発掘に尽力。
特に、その電算機の言語が、かつての母国の主言語であった「日本語」であったことから、「神話」とはライテスの前世より数千年後であることが判明。
また、魔法学、錬金術、科学に優れ、初の「科学長官」に就任。
当人は、様々な発明を残す。
特に地球の「戦車」をモデルにした「洗車」は、水魔法を主砲から打ち出せるもので、火事の消火、テロリストの鎮圧に活躍。「非殺必殺兵器」として賞賛される。(殺傷能力は、ゼロ。)
しかし、そういった名声を嫌い、自宅の警備兵として二足歩行と手の使用を可能とした、主要な兵器を「レーザーライフル」としたレッサーパンダ・・・通称「レーザーパンダ」を配備していたことは有名。
また、彼が「銀魚」を作り上げたエピソードとしては、自らが娘に語った地球の小説が原因で、彼女が「恋愛」を捨てた責任から、呑んだくれていたところ、心配して現れた国王が、
「疲れているのだろう。
休暇を与えるから、自宅の金魚でも眺めて・・・」
と、言われたその瞬間、
「金魚がいるのだ!銀魚がいて、何が悪い!」
と叫び、酔った脳ミソで瞬時に書き上げた方程式から生まれたとされる。
もっとも・・・
いつも、長女ルミナリアに、
「あのクソオヤジ・・・!
今度は何を作りやがった!」
と言われていたらしい・・・
「アホにゃ・・・」
言うと、ミラ・ミケランジェロは本を閉じた・・・
ライテスは、「アホ」です。




