第2907話 竜の大魔王
超魔王サタン配下・竜の大魔王リバイアサンは、捕虜となった超魔王バルダーズゲートの尋問に向かっていた。
「リバイアサン様・・・
何を悩んでおられます?」
竜王ゲルバが尋ねる。
「ええ。
ミリアム女王と共に尋問するというのがねえ・・・」
竜の角と翼の「お姉さん」という印象の大魔王のリバイアサンだが・・・
その彼女をもってしても、ミリアム女王は「脅威」だった。
尋問室の前に・・・
壁によりかかるミリアム女王がいた。
料理を載せたワゴンが、傍にある。
「お初にお目にかかります、大魔王リバイアサン様。
尋問にあたり・・・
ガスマスクを人数分用意させていただきました。」
はて?
「ガスマスク?
そなたの荷車の上に置かれているのは、どう見ても「料理」・・・
なぜ、かようなものが必要なのです?」
怪訝そうな表情のリバイアサン。
「・・・あなたは・・・
わかっておられないのですにゃ・・・
そのブツの怖ろしさを・・・」
ローブの若年の猫耳女神が言う。
言うまでもない。
自由神ニケである。
「これなるは・・・
いくたの犯罪者を屈服させてきた恐怖の料理・・・
味こそは絶品。
しかしながら、その匂いは・・・
神々さえも負傷させる・・・
「クサい飯」ですにゃ。」
女神は、聖書を手にしているが、明らかにその表情は恐怖に震えている。
「名高きリバイアサン様であっても、万全を期さねばなりませぬにゃ。」
「・・・
自由神ニケ・・・
若いとはいえ・・・
あなたも「神」。
それがここまで恐怖するとは・・・」
リバイアサンは、遠慮なくガスマスクを手に取った。
竜の大魔王リバイアサンです。




