第2901話 交渉
超弩級要塞空母エリュシオン・・・
「ブラスラー・・・
そのお言葉・・・
本気か?」
シェス神がモニター画面向こうの混沌神ブラスラーに尋ねた。
「いかにも。
このままいけば・・・
このタルタロス宇宙が崩壊しかねん。」
やがて、両艦隊は・・・
レオス公国の巨大ステーション・グランドレオで交渉をはじめることとなった。
「なるほど。
貴君が光の王・創造神帝か。
これほどの神・・・
見たことがない。」
ブラスラー神は、シェス神を見ている。
すごい気迫だ。
シェス神に付き従っている私たち三賢人だが・・・
リケ神のところの従属竜たちや、ナキたちが飛び出さないかと心配である。
だが・・・
ブラスラー神は、自ら右手を差し出す。
「そちらでは利き手に武器がないことを示し・・・
友好的であることを示すのであろう?」
これは意外だった。
「うむ。」
言うと、シェス神は右手を差し出し・・・
お互い握る。
「さて・・・
肝心のこちらの状況は・・・
極めて最悪だ。
そなたらの強烈な守りに徹した戦略・・・
そうして生まれた厭戦状況・・・
にもかかわらず・・・
ウリナラース神は、いいかげん侵攻の手を止めようとせぬ。」
そこで・・・
「私たちが攻めに、まわったとはいえ・・・
次々と国家に攻められ・・・
後ろからもということですね。」
私が切り出す。
「そういうことだ。
ミリアム女王といったか。
そちの策にハマったと気づいたとき・・・
それ以上はやめるべきだったのだ。
思えば・・・
アレは、慈悲ではなかったのか?」
ブラスラー神のモチーフは、ブラフマー神です。




