第2891話 まずは・・・
ウォルフガング宮殿・大会議場・・・
「まずは・・・
食事をいたしましょう。」
重鎮が並ぶ卓にて、私が言う。
すると・・・
ナキたちが、料理を運んでくる。
特に・・・
「この器はなんですかな?」
軍務卿ウォレスが尋ねてくる。
「カツ丼にゃ。」
ナキがニヤリと笑う。
「そ・・・
それは・・・?」
「うむ。
キティルハルムのおいしい「ヒノノニ豚」を使用した・・・
上質のトンカツです。
こう見えて私は、家族に食事を毎回つくっているのです。」
私は、カツを食す。
うん。
いい出来だ。
人数分用意しただけのことはある。
「皆様方・・・
陛下は料理もおいしいにゃ。
けど・・・」
ナキが「してはいけない」笑みを浮かべる。
「「これ」で凶悪犯を屈服させたことも幾度もあるにゃ。」
「「「!!?」」」
ワケのわからない恐怖を覚える政務卿たち。
「にゃはは。
皆様・・・
クサい飯って・・・
ご存じにゃ?
味に反比例して・・・」
すぱ~んッ!
ユニィが、「電柱」でナキのどたまを殴る。
「「味」教唆はやめるの!」
「にゃ~・・・」
とりあえず、お腹が膨れたところで・・・
「「犯罪者を屈服」って・・・
どういうことですかな?」
ベルヘルムは、尋ねてきた。
「え・・・
ええ。
取り調べに、これと同じようなカツ丼を使います。
「とってもおいしいが、恐ろしくクサいカツ丼」を。」
「「「!!!」」」
顔面蒼白になる政務卿たち。
「さて・・・
ファクトリア・・・
作業に着手して。」
「はいにゃ。」
ファクトリアが走っていった。
核教唆より怖ろしい!




