第2890話 最小限の行動で
「み・・・
見ろ・・・
ヘルベルム陛下の顔を!」
「あ・・・
ああ・・・
「負けて」いるのに、いい表情だ・・・」
武闘派らしい軍人たちが評価する。
見る目があるな。
じゃあ・・・
「これは・・・
どうさばきますか?」
悠久の図書館を床に突き立て・・・
それを起点に、舞うように攻撃を仕掛ける。
「奥義・女王の演舞!」
ヘルベルムは、こちらの攻撃をかわしつつ、攻撃を加えてくる。
むろん、相殺しているが。
そうして・・・
剣を納め、ヘルベルムは深く礼をする。
「名高き亜神のミリアリア・イスレ・キティルハルム女王陛下に御指南頂き、恐悦至極にございます。」
「あなたこそ・・・
この奥義を初見で、ここまでさばけるとはお強い。」
私も礼をする。
そして・・・
右手を差し出す。
「これは・・・?」
「これなるは・・・
我が宇宙での友好の証。
「握手」と申すものです。
これを受け入れる者は、右手で握り返すのです。」
ふっと笑ったヘルベルムは、右手を握る。
「元来・・・
戦いを避けるため・・・
利き腕に武器を持たぬことを見せる儀礼でした。
転じて、友好の証となったのです。」
頷くヘルベルム。
「では・・・
これより先の検討をいたしましょう。」
こうして、本格的な会談へと移っていく。
「なるほど・・・
平和的な「薩英戦争」だな。」
「なにそれ?」
「地球で、ある島国の辺境伯の領と大国の戦争だ。
引き分けに終わったが・・・
そこと大国は結果として友好関係となった。」
アルナスとジョルジュが話している。
そんな感じか・・・
実力を見るためだったので、えぐい戦いではないのです。




