第2871話 酒神の伝説
キティルハルム艦隊・・・
「こ・・・
これは・・・!」
オルフェス神は、驚愕していた。
「神々も、悪趣味なことをされますね・・・
あの「最凶」ののんべ神官を送ってくるとは・・・」
「のんべ神官?
誰にゃ?」
ナキが聞く。
「かつて・・・
デュオニソス様が生まれたのち・・・
父であるゼウス様は、サテュロスの亜神たる賢者シレノスを教育係につけました。
彼は、はやくから神としての力に覚醒し・・・
腐ったぶどうジュースを飲んで、酔っ払い・・・
悟りをひらいたのです・・・」
「ソレ・・・
たまたま「発酵」していたのと違うにゃ?」
ナキがツッコむ。
「そう。
それこそが、ワインの始まりです。
デュオニソス様は、怪しい宗教の主神となり・・・
そのころから、シレノス様は大神官を務めています。」
「・・・」
げんなりした顔のナキ。
「彼の怖ろしいところは・・・
常に酔っぱらっていて、その状態で頭が回るということ。
この効果は・・・
恐らく彼の組んだ強化プログラムでしょう。」
やがて、全周波数で笛の音が流れてくる。
「これは・・・
アポロン様の眷属・パン様の・・・」
私は悠久の図書館を構えた。
「この曲目は・・・
「ラブソング探して」ですね。」
軽快なBGMに乗せて歌いだす。
「これが・・・
ミリアリア・イスレ・キティルハルムの歌か!?」
オルフェス神は愕然としていた。
「これは・・・
勝つのは厳しいな・・・」
パン神は、カトリックの「ヤギ悪魔」のモデルになったそうです。




