第2870話 よもや・・・
超要塞艦隊エリュシオン・・・
「よもや・・・
「楽神」がくるとはな・・・」
シェス神がうなった。
「このままでは・・・」
オペレーターのシルフィード神が不安気に言う。
「しかし・・・」
だが・・・
「案ずるな。
こちらの「神」はまだ多い。
リケ艦隊に、シレノスとパン神がいたはずだ。」
「げ・・・!」
シェス神の言葉に、シルフィード神は・・・
露骨にイヤそうな顔をした。
リケ艦隊・・・
「ふあああ~・・・
良く寝たぜ・・・」
艦内服を着ているが、下半身がヤギの神パン。
彼は、笛の名手である。
「嬢ちゃん・・・
酒はもうないのかの?」
呑んべのサテュロス系亜神が一升瓶を片手にリケ神に言う。
「いつまで寝てるにゃ。
あと、飲んでるにゃ。」
呑んべこそ、酒神ディオニソスの大神官・シレノスだった。
「さて・・・」
シレノスは、艦橋のコンソールで計算を始める。
何を隠そう、この男はどんなに酔っていても頭が回る変人である。
「嬢ちゃん。
このプログラムをロードしてみなされ。
自慢の「海天使システム」を強化できるぞい。」
ぶはッと酒臭い息を吐くシレノス。
「ジジイ!
神話の時代から飲んでいたにゃ!?」
悪態をつきつつ、リケ神はプログラムをロードする。
「こ・・・
これは・・・
艦隊全体の稼働状態の海天使システムが強化されています!
本物ですよ・・・」
ステラがコンソールを見て興奮する。
「彼は・・・
酒神デュオニソス様の師にして臣下にゃ。
だから、「酔っ払い」にゃ・・・」
「いくらなんでも、神々もとんでもない人材を送ってきましたね・・・」
テラがぼやいた。
シレノス登場!
彼こそ、サテュロスの元祖です。




