第2862話 腰抜けって?
戦場に転移してきた大艦隊・・・
それは、最新の改修を施されつつも、どこか面影のある艦隊だった。
そう。
ケト女王の艦隊である。
「皆の者!
向こうの人々と神々が手を貸しにきてくれました!
戦いましょう!
最強の「三賢人」の黒猫の女王は、私に言いました!
「全ては綺麗ごとから始まった。
ゆえ、綺麗ごとを言う者が人にも神にもいなくなれば、全て滅ぶ。
だから、自分が最後の一人になっても綺麗ごとを言う。」と!」
その演説を聞き、ケトシー王国の守備艦隊は奮い立った。
「おお!
陛下が、帰って来られた!」
「やはり、我々の神は間違っていた!」
口々に言う将兵。
一方で・・・
「くッ!
被弾しすぎた!
ホスピリティアに・・・
うわあああッ!?」
ホスピリティアに退避しようとする機動兵器だが・・・
「ははは!
逃げ出した腰抜けの兵が!」
敵機が、それを撃墜しようとしたそのとき・・・
三機の機動兵器が取り囲む。
「腰抜け?」
「おもしろいこと言ってるにゃ。」
「リアルで実行するにゃ!」
三機は、敵機を上半身と下半身を押さえる。
「そーれ!
引きちぎるにゃ!」
隊長機が、敵機を力任せに「引きちぎる」!
「「「にゃーははは!
撤退は「腰抜け」じゃないにゃ!
腰抜けは、今・・・
あちしらに引きちぎられた、お前にゃ!」」」
文字通り「腰を抜いた」のだ。
ミリアリア艦橋・・・
「あのアホ共・・・
有言実行をガチでやるとは思わんかったにゃ・・・」
海猫隊の「ありえない」行動を報告で聞き、頭を抱えるナキ。
「くくく・・・
ミケランジェロ一族は、こうでなければね。」
私は、ニヤリと笑う。
「さて・・・
「海天使システム、起動準備です!」
「腰抜け」って言ったヤツは「腰を抜かれる」べきだ!と思う。




