第2859話 最初の総合導師
「こう見えても・・・
私は二度転生している。」
ラーメンを食べた後に、お茶を飲みつつアルナスは言う。
「この惑星における最初の大規模空中戦・・・
それは、あのホープメイカーの建造なくして不可能だった。」
「あれは・・・
ジョルジュ氏よりも古い艦だと聞きます。
では・・・
その「電算機」のデータは・・・」
「それだよ。
それこそが私の最大の強みだった。
かつての地球の言語の一つ「日本語」だったのさ。
だから私はたやすく読めた。
当時の技術では、大気圏内の戦闘に留まったが・・・
それでも、パスキールパレスと格闘することが可能だった。」
そこで、ジョルジュがチベットスナギツネの顔になる。
「よもや、あそこで戦艦で殴りかかってくるとは思わなかったよ。
いや・・・
アレはコワかった。
いまや、この宇宙で常識のあの突撃攻撃・・・
それは、この艦の名称からとって「ホープメイカーアタック」とまでいわれるようになり、宇宙戦艦の礎になったんだからね。」
ジョルジュが言う。
「しかも、そのころは・・・
産業革命が起こったレベルの文明でした。
そんな中で・・・
アルナスの前世の人物・初代ライテスは、約2、300年後の技術を持ち込んだのです。
いかに発展したか・・・
おわかりでしょう?
アルナス卿こそ・・・
「最初の総合導師」なのですよ。」
「総合導師?」
聞きなれないだろうなあ・・・
「魔導師にして錬金術師、そして科学者・・・
こちらでは「科学導師」と呼びます。
それを総合した・・・
「総合導師」と称します。」
「あれも、いい思い出だった。
初代ライテスの頃の君と飲んだ酒は、うまかったよ。」
「よせやい。
ただ、あの頃の君が今の君になるきっかけになったのならば、いいことだ。」
アルナスとジョルジュは、笑った。
ほとんど「神」視点・・・




