第2857話 色気より食い気
「しかし・・・
これほどのことをしていただいていいのですか?」
キティルハルムの門のラーメン店・「ミケランジェロこってりラーメン」の店内で、チャーシューメンをすすりつつ、ケトが言った。
「かまいません。
ところで・・・
「マルチバース理論」と「コスモゾーン理論」はご存じで?」
「ええ。」
「ならば・・・
この「コスモゾーン」は現在、「病」ということです。
癌細胞に侵されている状況ですね。」
そこで・・・
「やあ。
ここだったかい。」
「うむ。
私の胃袋ならばここでフルチャージするだろう。」
二人の科学導師が現れた。
「聖大魔王ジョルジュと科学長官アルナス・ライテスです。
この宇宙では、私を含め「リシテアール三賢人」と称されます。」
席に就き、ベルを鳴らすジョルジュ。
「いやあ・・・
キティルハルムの人たちは、ゲテモノをよく食うけど、まともなうまいもんも多いんだよね。」
「混ざっておかしくなったものもあるぞ。
さすがにサンマの粉末を生地に練り込んだ「サンマーメン」は思いつかなかった。」
やがて、かわいらしいデフォルメ猫ロボットがやってくる。
「ご注文をどうぞ。」
その言葉に・・・
「チーズラーメン!」
「唐揚げラーメン!」
「!!!?」
意外過ぎる注文に、ケトは驚く。
「驚くことはないだろう。
私たちは、人より食う。
ケト女王。
あなたは、この三人で最強の肉体は誰かおわかりか?」
「え?
ミリアム陛下ではないのですか!?」
「私だ。」
アルナスは、一見三人の中で肉体能力が弱そうに見える。
「これでも、竜族・エルフ族・人狼族、人間族が混ざっているからな。
さて・・・
科学導師は、肉体的に強くてはいけないという法はないのですよ?」
猫ロボットは、某中華料理店のものからです。




