第2855話 魔改造
ファクトリア邸地下の工房・・・
「にゃーははは!」
地下のドックで、部品レベルで宇宙戦艦が建造されていく・・・!
「しゅ・・・
出力129%増・・・
電磁加速砲六門・・・
やりすぎです!」
ケトが悲鳴をあげた。
「やりすぎってことはないにゃ。
ケト陛下も「国母」。
守るべきモンがあるにゃ。
「綺麗ごと」では守るべきものも守れない!
だから・・・
「綺麗ごとを言うための力」がいるにゃ!」
ファクトリアは、私とジョルジュを見る。
ジョルジュはげんなりしているが・・・
私はうなずく。
「そうです。
「綺麗ごとを言うための力」です。
よいですか?
「力なき正義は無力」。
されど・・・
「正義なき力もまた無力」なのです。」
ケトや側近たちは、ドックを見ている。
「これは・・・
私が科学導師として引用する理論ですが・・・
「キツネ家畜化論」と「人間家畜進化論」です。
どういうものかと言うと・・・
犬とは、いかにして人間の友になったか・・・
それは、人間が狼を友とするため・・・
狼が人間の友になるために、人間の不利益なものを自分たちから削除していったのです。
キツネでそれが実験された際・・・
非常に人間好みの性格のものが多くなり・・・
人間に不利益なものが減っていったのです。
人間もまた・・・
社会を築く際に、邪魔な要素をいくつか持っていました。」
私は説明する。
「始まったにゃ。
まあ・・・
ウチの陛下は、根っからの「教師」だし。」
ナキが言う。
「まあ・・・
ウチの神様たちも、そういう理論で進化をさせてきたみたいだし・・・
とりあえずファクトリアのヤツの仕事が終わるまで、聞いておくにゃ。」
コレは、人間の社会の変遷です。




