第2851話 投降の女王
祭祀惑星エリュシオン・・・
「これが・・・
この宇宙の誇る「神の都」ですか!?」
ケトと家臣たちは一様に驚愕していた。
「質実剛健、かつ豊かであることです。
まあ・・・
例外な人もいますが。」
そこで・・・
「おお・・・
そなたが、タルタロスの「猫の女王」かの?
えらく美女だのう・・・」
スケベ心丸出しのゼウス神が近寄るが・・・
スパーンッ!
アテナ神に、「煩悩退散」と書かれたハリセンではたかれる。
「何をするかアテナよ!」
「ゼウス様も凝りませんね。
これ以上は、ヘラ様がお怒りになられます。
これくらいなら、お叱りで済みます。
感謝していただきたいくらいです。」
「アテナ様。
感謝します。」
「何。
そなたには時折、「山吹色のお菓子」を献上していただいておりますからね。」
そこで・・・
「ま・・・
まさか・・・
神々に「お布施」を積んで・・・?」
「違うにゃ。
最近、人間の王と神々の間ではやっている「悪代官ごっこ」にゃ。
「賄賂」に見立てたお菓子を献上し、悪代官と悪徳商人になりきって悦に入る、悪趣味な遊びにゃ・」
驚くケトに、リケ神が返答する。
「しかし・・・
いくら、ミリアム女王の「カツ丼」にビビったとはいえ・・・
投降の説得に応じたのは、何かあるのですね。」
アテナ神が尋ねる。
「はい。
どうも我が神々は・・・
そちらへの侵攻に躍起になりすぎて」いるようなのです。
このままでは・・・
こちらの宇宙は、人材や資源が枯渇して滅んでしまうでしょう。」
ケトがため息をついた。
まるで「あの」国です。




