第2847話 なぜだ!
「なぜだ!
なぜなんですかッ!
艦隊が・・・
背後左右から!」
ケトがわめいている。
「当然です。
あなたは、私を「なぐる」のに夢中になって、私の仲間がいることを失念しています。」
私は、右の猫耳の毛を整えながら言う。
「目の前の敵を倒すのに執着して、周囲の敵にやられては話になりませんよ?」
なにやら、ジョルジュ艦隊の凶悪な新兵器とアリス艦隊の増強された部隊が大暴れしているようだ。
「そして・・・
あなたほどの女王・・・
わかっているのでしょう?
このような不毛な戦・・・
戦力どころか、多くの命を消耗することは。」
「黙りなさい!
この私が・・・
ここに来たのは・・・
自らの宇宙のこれ以上の破壊を止めるためです!
綺麗ごとを言うことはおやめなさい!」
そこで私は、すっと目を細める。
「猫」さながらに。
「では・・・
勝負をつけますか?
言っておきますが・・・
私は・・・
「綺麗ごとを言う」女王です。
だいぶ暴れましたが・・・
綺麗ごとを言う力もまた必要です。」
私は、ナキに声をかける。
「ガンダール・ミリアリアⅡを用意なさい!」
「はいにゃ!」
ナキは、デッキに通信を入れる。
「陛下が出られるにゃ!
ガンダール・ミリアリアⅡの用意にゃ!」
そうして・・・
「いいでしょう・・・」
こうして私は、久々に機体に乗る。
「陛下?
ガチでこんな軽装でいいにゃ?
遠隔攻撃端末数機と通常武装だけで。」
メカニックが聞いてくる。
「ええ。」
私は、ガンダール・ミリアリアⅡに乗った。
久々です。




